最近、ミニマリストなるものに憧れて、その方面の本やブログをチェックするのだが、特に面白かったのが、『スモールハウス 3坪で手に入れるシンプルで自由な生き方』。主に海外で、それぞれに人生やライフスタイルについて考えた人が思い切ってスモールハウスを作り、物をそぎ落としながら、それでも十分に豊かな生活を送っている姿を紹介している。
格差社会や貧困が社会問題になって久しいが、相変わらず誰もが必要とする「家」のバカ高さ(賃貸・購入共に)にはうんざりする。働いてもなかなか賃金の上昇が見込めない世の中なら、アルバイトの給料でも程々に暮らしていけるような、家も含めた人生の選択肢を世の中は必要としているのではなかろうか?何十年ものローンを組んで家を買い、将来の自由の可能性まで失ってしまうのは何かおかしい、という著者の疑問は、私もうっすらと感じていたこと。数百万程度で程々の家を買ったり作ったり出来、そのあり方が世の中に広まっていけば、人々の幸福度は格段に増すのではないだろうか。スモールハウスに住むためには、物を極力減らすことが必要になるが、電子書籍は益々コンテンツが豊富になってきているし、昨年からは音楽の定額配信サービスも始まった。ノートパソコン1台ででかなりのことが出来てしまうわけで、物を手放しても充実した生活を送れる基盤は整ってきているように思う。
ただし、自分のように音楽をやっている人間は、楽器を置くスペースと防音設備が不可欠なわけで、そこのところにどうしてもある程度の資金はかかってしまうだろう。したがって、この本の紹介例ほどには私の生活はコンパクトにはならないと思う。ともあれ、将来的に、この本も参考にしながら、家を作ってみたいと思うのであった。家族が私制作の家に住むことをOKしてくれるかどうかが問題だが。
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