短編小説 「電子レンジでチーズケーキを焼く日」

ある晴れた日曜日、ヨシオさんは異常なほどの食欲を感じていました。朝食でパンケーキを十二枚食べたにも関わらず、まだお腹がグーグーと鳴っていたのです。彼は思い立ち、自分でチーズケーキを作ることに決めましたが、オーブンが壊れていることを思い出しました。しかし、ヨシオさんは諦めません。彼は「電子レンジで何とかなるはずだ」と独自の理論を展開しました。

キッチンに立ち、クリームチーズ、卵、砂糖、そして少しの塩をボウルに入れ、手元にあったハンドミキサーで勢いよく混ぜました。ヨシオさんはさらに冒険心を出して、冷蔵庫からピクルス、カレーパウダー、そしてチョコレートチップスも加えました。「これが新感覚チーズケーキの誕生だ!」と叫びながら。

彼はその奇妙な生地を耐熱容器に入れ、電子レンジにセット。ボタンを押した瞬間、キッチンには奇妙な香りが立ち込め始めました。待つこと数分、電子レンジのチャイムが鳴り響きますが、出てきたのは見た目も怪しげな、カラフルな何かでした。

恐る恐る一口食べてみると、意外にもそれはそれは美味!「革新的だ!」ヨシオさんは感動し、自分の料理の才能に驚きました。そしてその日、彼は友人たちを招いてこの「カレーピクルスチョコチーズケーキ」を振る舞いました。

友人たちは一口食べ、顔をしかめつつも、「ヨシオの料理はいつも面白いね」と笑いながら言いました。その日の夜、ヨシオさんの家からは笑い声が絶えませんでした。そしてみんなはこの日を「電子レンジでチーズケーキを焼く日」として記憶に残すことにしました。

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